゛あなたが賢明な人なら、涙が流れるにまかせておき、泣きたくなったら何度でも泣くでしょう。

そして、あなたが典型的なペットロス体験者であれば、家族や友達など周囲の人の中で、あなたの深い悲しみを理解してくれたり慰めてくれる人が、けっして多くはないことを知るでしょう。

しかし、喜びに満たされた長い年月、ずっと可愛がってきたペットへの愛に誠実であれば、その後の孤独な日々にあってもときどきは、一つの魂ーあなたの魂よりわずかに小さいけれどもーが自分と一緒に歩いているような気がすることもあるはずです。

何の変哲もない日常のなかで、何かが足をかすめる気配を感じるかもしれませんーそっとそっとかすめる気配をー

そして、いとしかった友が、おそらく何ものにも代え難くいとしかった友が、いつもいた場所を見るにつけ、重大な三日間が思い出されることでしょう。

その思い出はきっとつらいものであり、あなたの心に痛みを残すでしょう・・・

痛みはまるで一個の生き物のように、時の流れの中で消えたかと思えば、また立ち現れます。
あなたはその痛みを拒絶することもあれば、受け入れることもあり、そのために混乱させられるかもしれません。

拒絶すれば、あなたは憂鬱になるでしょう。
受け入れれば、あなたは痛みに貫かれるでしょう。
いずれにしても、痛みは、あくまでも痛みなのです。

しかし、間違いなく第四の日がやってくるはずですーその日は、ペットの思い出とともに、重い心を貫いて、あなただけの前に立ち現れるのです。
愛し、失った動物とのつながりは、何ものにも代え難く強いものです。同様に、第四の日も、何ものにも代え難く鮮やかに実感されます。
その実感が形を取って、生きている愛になります。

花びらがしおれたあと、なおも漂うかぐわしいバラの残り香のように、その愛はいつまでも消えることなく、いっそう豊かになっていきます。そして、私たちが思い出すのは、そこに現れる愛なのです。
その愛は私たちに与えられたご褒美です。
ペットがこの世を去るとき、私たちに残してくれる遺産です。
そして、生きているかぎり、そばに置いておくことのできる贈り物です。
その愛を、私たちは自分だけのものにできます。

私たちがこの世を去り、最愛のペットといっしょになれるときまで・・・。
その愛を、私たちはずっと持ち続けるのです。”

ペットロス・ケア  ハーバート・A・ナイバーグ著
「はじめに」 マーチン・スコット・コシンズの一節より

愛するペットがお空に旅立ってしまったあと、残されたあなたには胸をえぐられるような深い心の痛みと絶望、そして幾ばくかの後悔と罪悪感だけが残ることでしょう。

そんな状況が少しでも和らげば・・・と思い、私自身が救われた『虹の橋』(作者不詳で世界中に広がっている詩)を掲載させて頂きます。

少しでもあなたの悲しみが癒されますように・・・

虹の橋


天国のほんの少し手前に、『虹の橋』と呼ばれるところがあります。

地上にいる誰かと愛し合っていた動物は、死ぬと虹の橋に行くのです。

その橋のたもとは緑豊かな草原や丘が広がっていて、動物たちはみな一緒になって走り回ったり遊んだりするのです。

たっぷりの食べ物と水、そして陽の光に恵まれ、彼らは皆暖かく快適に過ごしています。

年老いたり、病気になっていた動物たちは、ここにきて健康と活力を取り戻し、怪我をして傷ついたり、不自由な身体になった動物も、もとどおりの丈夫な身体を取り戻ります。


過ぎ去りし日の夢のように・・・


動物たちはここで幸せに満ち足りているけれど、一つだけ不満があります。

それは、それぞれにとって特別な誰か、あとに残してきた誰かがいないことを寂しく感じているのです。


動物たちはみんな一緒になって走り回って遊んでいます。

そして・・・ついにある日、そのうちの1匹が足を止めて遠くに目を向けるのです。

目はきらきらと輝き、身体はたまりかねたように小刻みに震え始めます。


突然、彼はみんなから離れて緑の草原を走り出します。

はやく、はやく跳ぶように・・・

あなたを見つけたのです。


ついに出会えたあなたたちは、再会の喜びに固く抱き合います。

もはや二度と別れることはない・・・

喜びのキスがあなたの顔に降り注ぎ、あなたの両手は愛する友の頭や身体を再び愛撫します。


そして、あなたは信頼に溢れたその瞳をもう一度のぞき込むのです。

あなたの人生から長い間失われていたけれど、心の中からは一日たりとも消えたことがないその瞳・・・


そして、あなたたちは一緒に虹の橋を渡るのです。



虹の橋のたもと


天国とこの世を結ぶ橋がある。 


その橋は、様々な色合いから『虹の橋』と呼ばれています。

『虹の橋』のすこし手前には草地や丘、青々とした緑あふれる谷があります。 

大切な動物達は、死ぬとその場所へ行くのです。

そこにはいつも食べ物と水があり、気候はいつも暖かいまるで春のようです。 


歳をとって、身体が弱っていたものでも、ここへ来て若さを取り戻し、 

身体が不自由になっていたものは、元どおりの健康な身体を取り戻すのです。

そして一日中一緒に走り回ったり遊んだりしています。 

けれど、橋のそばにはみんなと様子が異なるものもいるのです。 


疲れ果て、飢え、苦しみ、誰にも愛されなかった動物たちです。

他の動物たちが一匹また一匹と、

それぞれの特別なだれかと一緒に橋を渡っていくのをとても悲しげに眺めているのです。


彼らには特別なだれかなどいない。

生きている間、そんな人間は誰一人現れなかった・・・


しかし、ある日、動物たちが走ったり遊んだりしていると、 橋への道のかたわらに誰かが立っているのに気づくのです。

彼はそこに繰り広げられている友の再会を羨ましそうに眺めています。 


生きている間、彼は動物と暮らしたことなどなかった・・・

彼は疲れ果て、飢え、苦しみ、だれにも愛されなかったのです。

そんな彼がポツンと立っていると 、愛されたことがない動物が

どうして一人ぼっちなのだろうとそっと近づいてくのです。


すると、なんと不思議な事が・・・。

愛されたことがない動物と愛されたことがない人間が互いに近づくにつれ、

奇跡が起こるのです。

なぜなら、彼らは一緒になるべくして生まれたからです。

この世では決してめぐりあえなかった特別なだれかと大切な動物・・・ 

今、やっと『虹の橋』のたもとで彼らの魂は出会い、

痛みや悲しみは消え、彼らは一緒になるのです。 


そして、いっしょに『虹の橋』を渡り、もう二度と別れる事は無いのです。